何かトラブルが起きた時、クレーム対応が多くて悩んだ時こそ、今までのネットショップ運営を見直すタイミングです。
ネットショップとしての抜本的な改革を行う必要があります。
しかし、クレーム対応はイレギュラーで未経験なことも多く、対応に困ったり大変な労力がかかりメンタルヘルスにも問題が生じることもあります。
今回は、ネットショップにありがちなクレーム、そしてクレーム対応に悩んだ時の抜本的な改善方法についてお話します。
ネットショップにありがちなクレーム
はじめに、ネットショップにありがちなよくあるクレームをいくつかご紹介します。
「商品自体の間違い、サイズ違い、破損や汚れ」によるクレーム
商品自体の間違い・サイズ違い・破損や汚れなどに関することは、よくあるクレームと言えます。
もちろん、違う商品を発送した場合はネットショップ側の責任です。
しかし、ユーザー側が商品が届いてみたら想像していたのと違う、またはサイズが合わなかったということもあります。
同様に、破損や汚れについても、ショップの発送時点からだったり、配送・輸送の際に発生してしまった、ユーザーが発生させてしまったなど、ネットショップ側とユーザー側にも責任があるケースがあります。
「商品の発送遅れ、到着の遅延」によるクレーム
発送漏れや発送遅れで商品が届くのが遅いというのも、よくあるクレームです。
ユーザー側に非がないため、ネットショップ側もしくは配送業者側の責任と言えます。
発送漏れや発送遅れなどはネットショップ側に責任がありますが、天候、自然災害、有事の際などコントロールできないケースもあります。
しかし、現実問題あきらかに到着が遅れている場合は、早急に誠意をもって対応をしなければいけません。
「長期の在庫切れ・未入荷、売り越し」によるクレーム
売り越し、在庫切れの期間が長すぎる・いつまでも未入荷というのも、よくあるクレームです。
これらはすべてネットショップ側の責任になります。
しかし、ネットショップ側で発注・注文はしているもののなかなか倉庫に届かないことや売れるかわからない商品を大量に抱えることは在庫過多のリスクにもなりえます。
また、ネットショップが在庫切れになっている状態であればまだしも、特に注意が必要な点が「売り越し」です。
売り越しは、実際は在庫切れなのにネットショップの在庫数が1以上の状態で商品の購入や支払いが済んでしまうことです。
迅速に在庫切れの表示をできる仕組みを整えるか、売り切れ・在庫切れにならないような在庫管理を行うが必要があります。
クレーム対応に悩んだ時の抜本的な改善方法!!
次に、クレーム対応に悩んだ時の抜本的な改善の方法について簡単に解説します。
クレームの原因・タイミング・責任区分を明確にして改善する
冷静にクレーム対応するためにも、まずはクレームの原因や発生したタイミングを明確にしましょう。
クレームに関する情報収集を行った上で、ネットショップ側(倉庫や流通も含む)とユーザー側のどちらの過失・不備か、責任区分を見極めなければいけません。
「自社の対応は間違ってない、悪くない」という心理的な要素が交わると対応が遅くなったり、さらにユーザーを怒らせてしまう可能性が高くなります。
もちろん、どちらにしても最終的にはネットショップ側が責任を持って対処すべきことではあります。
どちらであっても、あらかじめ明確にしておくことで、どのようなケースでも迅速かつ責任を持って対応できる体制を整えましょう。
【ネットショップ側の過失・不備の例】
・誤って違う商品、サイズ、色違い、個数を発送した
・在庫がないのに在庫があるかのように表示されていた
・忙しくて商品の発送そのものを忘れてしまった
・注文の通知やメールを見逃していた
どのケースにおいても、ネットショップ側の責任であるため、迅速かつ誠意を持って対処する必要があります。
特に、時間に余裕がない時にヒューマンエラーは起きやすく、繁忙期でもしっかり対応できるようできるだけ複数人で二重チェックするなど対策を考えておきましょう。
また、手動から自動化できるシステムなどを上手に活用して時間的な余裕を作り、販路拡大の際の複数店舗運営でもスムーズな業務手順を構築できるように心がけましょう。
【倉庫や流通の過失・不備】
・違う住所に届けてしまった
・倉庫から発送するときに壊してしまった
・配達や保管するタイミングで壊してしまった
・商品をなくしてしまった
・時間指定や日時指定を無視してしまった
どのケースにおいても、ネットショップ側の責任になるため、迅速かつ誠意を持って対処しなくてはなりません。
ただし、損害賠償のような部分については倉庫や流通側の業者とよく話し合って取り決めをしておきましょう。
また、大手であれば配送に関する事故があった時も迅速ですし、マニュアル等の対策で配送事故が起きにくいので、なるべく信頼できる業者を選定することをおすすめします。
【ユーザー側の過失・不備】
・故意ではないが壊してしまった
・誤った個数で注文してしまった
・誤ったサイズ、色、規格、互換性がないものを注文してしまった
・配送先や日時の指定を間違った
・ユーザー自身の都合で受け取れなかった
ネットショップ側としては、どこまで無償で対応するのかの判断が難しいものばかりですが、故意や悪意でなければ基本的には支払ってもらった代金以上のお金をもらうことは難しいかもしれません。
実際に有名ブランドや大手メーカーの対応状況を見ていますと、商品を着払いで返送してもらい、新しい商品を発送するのが一般的であるのも事実です。
同様にユーザー側の過失や不備であっても、ネットショップ側が誠実な対応をすることでファンやリピーターになってくれる可能性も高くなります。
また、将来的な利益や売上を増やすためにも基本的にはポジティブな気持ちで対応していくことをおすすめします。
返品・交換を丁寧かつ迅速に行えるマニュアル作成で改善する
返品や交換を丁寧かつ迅速に行えるマニュアルを作ることも大切です。
もちろん、出店しているモールや自社ECサイトの規約、または販売時点に明示している文章において「返品・交換は承りません」的な文言があったとしても、やはり「何もしない」となればショップの信頼は失います。
何よりもSNSの時代ですから、ショップ名を名指しで書き込みされると評判にも悪影響が出てしまいます。
そのため、過失や故意、悪質な場合を除いて、なるべくなら返品・交換を丁寧かつ迅速に行えるマニュアルで対応することでショップとしての信頼を維持しやすくなります。
ひとりひとりのユーザーを大切にすることこそ、ネットショップ運営における長期的な利益になります。
クレーム対応=顧客満足度の向上、ファンやリピーターの獲得として注力していきましょう。
商品の在庫調整を迅速に対応できる在庫管理システムで改善する
迅速な在庫調整に対応できる在庫管理システムを導入することが、ネットショップ運営のクレーム削減に繋がります。
在庫切れや在庫少・在庫薄の把握ができれば在庫管理がスムーズになります。
そのため、長期間の在庫切れ、返品や交換する商品が確保できていないなどのクレーム、利益損失や機会損失を限りなく少なくできます。
同様に、在庫調整を迅速に行えると、在庫切れの際の売り越しも発生しにくくなります。
迅速な在庫調整と在庫管理の徹底することで、クレームの少ないネットショップ運営につながっていくということを認識しておきましょう。
まとめ:迅速な在庫調整とクレーム対応のマニュアル化がクレーム削減の近道!
今回はネットショップにありがちなクレーム、そしてクレーム対応に悩んだ時の抜本的な改革方法についてお話しました。
ネットショップのクレームは「商品ありき」であり、「商品を基軸としたクレーム」と言えます。
だからこそ、ネットショップ運営の基本である「在庫管理」という点に注力しましょう。
また、同業他社などのクレーム事例などを集めながらクレーム対応そのものをマニュアル化し、迅速かつ丁寧に対応できるよう決めておくことが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事がクレームの対応が多くてお悩みの方のお役に立てれば幸いです。